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MINAMATAーミナマターのえくりぷすのレビュー・感想・評価

MINAMATAーミナマター(2020年製作の映画)
3.5
チッソ水俣工場が流した有機水銀を含む工業排水によって公害病が起こった。いわゆる水俣病である。アメリカ人の写真家のユージン・スミスは富士フィルムのCM撮影の通訳として来た大学生アイリーンの要請により、日本で水俣病患者を撮影することになる。

ユージン・スミスもアイリーンも本名で登場し大枠では実際にあったことが描かれているが、あくまで「事実を基にしたフィクション」であり細部では実際とは異なる部分も多い。

例えば以下の点は事実とは異なる。

①ユージン・スミスに水俣での撮影を提案したのはアイリーンではない。
②ユージン・スミスとアイリーンは水俣に行く前に結婚していた。
③ユージン・スミスが暴行を受けたのは水俣工場ではなく千葉の五井工場である。
④ユージン・スミスが「入浴する智子と母」(映画では亜紀子)を撮影したのは暴行された後ではなく前。

……とはいえ四大公害病として学校で習った水俣病について学び直す良いきっかけになった。

ただ、チッソ社長室は洋室なのにドアが障子のような和室風だったり、亜紀子の入浴を撮影するとき風呂桶が部屋の真ん中にあるなど、日本文化を誤解している外国人が作った映画だと感じる場面がある。日本側スタッフが意見することでもう少しなんとかならなかったのかなぁ、とは思う。
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