ちゅにちゃん

死霊館 悪魔のせいなら、無罪。のちゅにちゃんのレビュー・感想・評価

2.6
ドストエフスキー「悪霊」の冒頭に、聖書の言葉を引用して「悪霊に取り憑かれた豚が崖より湖に駆け下り溺死する」との記述がある。キリスト教の世界では神に対峙するものとして悪魔が有る。昼に対して夜があり、悪魔は闇の象徴となる。本作は1981年に実際にあった事件を映画化したもののようだが、科学万能の時代にあって悪魔の存在が今なお語られるところはとても興味深い。特にアメリカでは、コロナワクチンを巡っても陰謀説がささやかれたり、トランプ前大統領支持者の中には今でも迷信を信奉する者たちが多いと言われる。悪魔の存在を証明する事は難しいが、「神が存在するなら悪魔が存在しても不思議ではない」という主人公のセリフはなかなか含蓄が深い。