■「あの頃。」鑑賞記
■今年2月公開で見逃していた本作をようやく鑑賞。
「ハロー!プロジェクト(#ハロプロ)」に魅せられた仲間たちの笑いと涙の日々を描いた、アイドルヲタ版「スタンド・バイ・ミー」といった感じの作品。
■松浦亜弥のMVを見たことをきっかけに、ハロプロアイドルにどハマりし、ヲタ活で人生を謳歌する主人公の劔(つるぎ)を松坂桃李が熱演。
小心者のアイドルヲタ役が見事にハマっていた。
中盤、なぜか白ブリーフ・白靴下の「村西とおる」スタイルで登場したシーンに爆笑。役者として着実に成長しているのが実感できます。
■また、個性的なアイドルヲタ仲間たち「恋愛研究会。」を演じる名バイプレイヤーたちのおかげで、本作が、単にアイドルヲタの生態を冷やかすような「アイドルヲタあるある映画」に陥らず、いくつになっても好きなことに夢中になっている中年男子を温かく見つめる(おっさん)青春映画に仕上がっており、この点が本作に好感が持てる。
■その中でも、コズミン(ケチでプライドの高い、藤本美貴推しのアイドルヲタ)を演じる仲野太賀の吹っ切れた演技が嫌でも印象に強く残る。
後半からは彼がキーパーソンとなって物語が進んでいくので、松坂桃李目当ての観客は軽く肩透かしを喰らうくらい。
■本作後半、アイドルヲタたちはそれぞれ、アイドルと同じくらい大切なものを見つけ、一旦、ヲタ活から離れていく。
それでも、夢中になれるもので結ばれた仲間たちの存在は人生を充実させ、その絆は細くなりながらも途切れることはないことを本作を観て実感。
■人生、いくつになっても夢中になれるものを持つことが大事。
そういう点から、本作における「ハロプロ」を「AKB」「ももクロ」「スターウォーズ」「マッドマックス」「ビートルズ」等に換えれば、それだけ新しいストーリーが描けそうだ。