松井の天井直撃ホームラン

おらおらでひとりいぐもの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

おらおらでひとりいぐも(2020年製作の映画)
-
☆☆☆★★★(ちょい甘💦)

原作読了済み。簡単に。


数々の賞を受賞した原作は、読んだ人には分かるのですが。数多くの記憶の片隅に生きづいているエピソードの断面が、とりとめもなく記載されており。ストーリーらしいモノはない。
強いて言えば、愛する周造に先立たれ。寂しい日々を過ごす初老のお婆ちゃんの《愚痴に近い日常》と言えば良いのだろうか?

映画は137分もあるのだが。原作自体をそのまま描くと、精々30分くらいにしかならないのでは?としか💦
(読みながら「え?これ映画に出来るの?」…と思ったくらいだが)

原作自体は、劇場で予告編が流れ公開前に読み始めたので。3人の心の中に住む住人は想定した状態の為、特に違和感を感じる事なく。原作との相違点を楽しんで鑑賞が出来た。
何しろ襖1枚開くと。ドラえもんのどこでもドアよろしく、過去の思い出や、本人の妄想等。ありとあらゆる出来事が展開される。

但し、原作通りに進むにはどうしても尺の関係で「どうするのだろう?」…と思っていた部分を。映画は、前半1/3をほぼ原作通りに。残りの2/3にあたる〝 桃子ワンマンショー 〟以降は。原作にて描かれていた【オレオレ詐欺】【火傷】【46億年前の白亜紀】等の断片を、映画オリジナルストーリーに挟み込んで。このお婆ちゃんが1人で生きて行かなければならない寂しさを表現していた。

原作だけ読むと、とても難しい題材に思えただけに。ここまで分かりやすく表現した点はなかなかだと思いました。
逆に考えると、実に飄々としたお婆ちゃんの話でもあるだけに。とてつもない感動を呼ぶ内容にはならない…とも言えるのですが(^^;)


2020年11月8日 TOHOシネマズ西新井/スクリーン3