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泣く子はいねぇがのFHTのレビュー・感想・評価

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
3.7
なかなか強烈な作品で驚いた。
映画の日に選んだ1作品はこちら!
ナグゴハイネェガァー!!!
この秋田の伝統文化 "なまはげ" の使い方が作品のラスト鳥肌の展開を作り出した。

役者陣素晴らしすぎた!
太賀は圧倒的ですね!相変わらず入り込めるし太賀って事を忘れてしまうくらいの役づくりだ。
ただそれに食らいついてた吉岡里帆も素晴らしい!
見えない目撃者でも素晴らしい演技を見せていたが、今回も大絶賛!
やつれた時の表情とか誰かわからないくらいの作り込み!
そして眼差しで伝わる感情の杞憂の出し方がうまい!
でも今作においてのナンバーワンは柳葉敏郎さんです!
この人本当にうまい!顔の血管の出し方まで作り込んでそう。

この作品は問いかけの作品だ。

恋愛において、男は名前をつけて保存、女は上書き保存と言う言葉よく使われるが、今作の1つのテーマはここに当てはまってくる。
男性鑑賞者はなかなかの現実を見せられるかも。。
最近 自分の価値はどこにあるかと考える事もチラホラあり、この作品にも通づるものがあった気がした。

離婚をするきっかけとなったナマハゲの催事での失態。
そして自分の失態を認め更生を誓う夫。

友情も愛情も生み出すまでには沢山の時間が必要なのに粉々になるのは一瞬で、それをまた組み立てていくのは更に困難な事だ。

"ごめん" "チャンスを" 言葉で救われる事もあるだろうが、言葉だけではどうあがいても叶わない事もある。
どれだけ熱意や想いがあっても叶わない事もある。

空回りしてドンドンいろんなものを失っていく様を見ているのが辛くなってしまった。

ここから作品に細かく触れていくのでネタバレあり!






作品に関して、細かな道具の使い方がうまい!
プレイステーションの起動時の画面がテレビに永遠に流れている夜に物悲しさがとてつもなく感じられた。
タスクとコトネが会話していた車内での静かな間の重々しさが素晴らしかった。
タスクが凪のお遊戯会をこっそり見に行くも、赤ちゃんの頃の凪しか知らず、探し出すことができず、更にコトネの再婚相手もそこで目撃し、絶望と悔しさが滲み出てるシーン。そして無邪気な声で歌う童謡が更に辛さを出していく。
そしてラストシーンですよね!
ナグゴハイネェガァー!!!ナギイイイイ!!!
凪はまだ父親がタスクだって事を認識できない歳で、ナマハゲの恐怖に号泣する。そこ仮面を外せばあなたの元夫がいる。その仮面の中のタスクの表情は、どんな表情をしているのだろうか。そしてこの後タスクはどう人生を歩んでいくのか気になる終わり方でした。
その前にコトネが家に入れるのを目で拒んでいたシーン。
吉岡里帆の演技が光る光る!母親としての意志の強さと関わりを持たせたくない葛藤が表情に出ていて素晴らしかった。
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