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泣く子はいねぇがのmのネタバレレビュー・内容・結末

泣く子はいねぇが(2020年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

・田舎のいいとこと悪いとこ両方詰まってる
・地域特有文化の継承について
・父親としての自覚(男の成長)

ラストにタイトルの意味が全て回収される
ことねに向かって泣けーと叫ぶシーンが1番心に来た
たすくという男は本当に生きるのが不器用だな
一度失った信頼を取り戻すのは難しいね、
自分の父親としての未熟さや人間としての醜さのせいでなまはげの信頼も妻も娘も失って、父の思いも踏み躙って全てを壊してしまったたすく。それでもなまはげは神であり神の前では自由でいいと聞いて、最後のあの凪に向かっての雄叫びは心にくるものがあった

凪のお遊戯会のシーンで、自分の娘なのに顔がわからずどの子が凪なのか見分けがつかないのがとても辛かった
あんなに未熟だったのにいつのまにか父として成長してて何より娘を愛し娘に会いたくて東京から戻ってくるほど父親としての自覚が芽生えていくたすくを見て、人はどん底の失敗から学んで這い上がっていくんだなって思った
男、女って括りたくないけど、父、母って考えるとして母親ってなんであんな父親よりも強いんだろう。お腹を痛めて産んだ子どもを守ることに関してやはり父より母の方が強く感じる。

たすくは本当に不器用で周りの人に迷惑をかけながら生きているけどそれがなんかすごく人間らしいというか、身勝手なことばかりしてるのにどこか憎めない男。そしてたすくの周りにはいい人ばかり。本当に人に恵まれてるなと思った。

田舎文化や、都会と田舎の対比も今作の大きなテーマだと思う。
東京は流れが早くてすぐに忘れられるけど秋田では一度事件が起こったら長らく忘れられることはない
それに、会う人会う人「どこの家の誰さん」って認識なのが田舎特有。
都会じゃ全員他人で居酒屋の隣の席の人なんてどこの誰だかわかりゃしない。田舎はいいところでもあれば生きづらい場所であるということもわかるような話だった。ナマハゲのような薄れていく文化の継承に関してもだし、田舎での生きやすさと生きづらさの両方がわかる作品

なまはげの文化って今でも当たり前に行われているのかな?なまはげを担う人も子どもも減ってきて大切な地元の文化が失われているのかな?実際のナマハゲ文化がすごい気になった
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