おぐぽん

パーム・スプリングスのおぐぽんのネタバレレビュー・内容・結末

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

量子物理学を勉強して抜け出すループものは初めてみたなぁ。

私は死に向かって生きているというか、死ぬ為に生きているので、主人公のように現実からの逃げ場としてループ世界を選ぶことはできないかな。

おそらく主人公の現実は、特筆する点がないような日常なんだろう。
物凄い幸せはないが、酷い不幸もない。
生きているだけで、その時自分がやらねばならないことをこなしていくだけで過ぎていく毎日。
そんな毎日になんとなく嫌気がさしているが、かと言って変えようという気もない。
ループに順応して生きていくのは、オナニーと変わらない。セックスすら出来なくて、オナニーで果てることも叶わない。

そしてそれをぶっ壊していくサラ。
毎日目が覚めた瞬間に目の当たりにしなければならない罪よりも、まだ見ぬ未来の苦しみ(および幸せ)を選ぶわけだが、その行動力たるや。
とにかく勉強して脱出方法を探ろうとするのって、当然のように思えるが並大抵の意志では成し得ない。

やるか、やらないか。そして、
やり続けるか、やめるか。

本作は、語られない過去や、この3人以外にもループしている可能性がある人の存在など、想像を膨らませて観られるのが面白い。