ミミズ式SGキネマ倶楽部

パーム・スプリングスのミミズ式SGキネマ倶楽部のレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
4.0
マックス・バーバコウ監督の初監督作品。まず初めにキャスティングの良さが出ています。主演の二人は毎日繰り返しの中ですべてを諦めてしまった男をアンディ・サムバーグが、そして問題を抱え家族からも敬遠されている女をクリスティン・ミリオティが絶妙な表情で繰り返される日々を演じ切っています。また登場シーンは少ないながらもJ・Kシモンズがコミカルながらも締めるところは締めてくれます。

「オール・ユー・ニード・イズ・キル」、「ハッピー・デス・デイ」といった“タイムループ映画”の系譜に連なるロマンチックコメディでありながら、緻密な脚本により随所に伏線が張り巡らされており、謎解きも楽しめる映画になっています。特にこれはネタバレになってしまいますが、サラが妹の旦那と体の関係があったというところは、作中で見事の伏線回収をやってのけています。

 総じて、超さわやかなラブコメで夏にぴったりの作品でした。(舞台は11月ですが)変わらない日々に満足してしまった主人公が、変わることを求めたヒロインによって覚悟を決めるという流れは、タイムリープの様な日々を過ごしてしまいがちな我々にも刺さるメッセージになっています。そんな大事なことも思い出させてくれる本作、ぜひご鑑賞下さい。