れいん

パーム・スプリングスのれいんのレビュー・感想・評価

パーム・スプリングス(2020年製作の映画)
4.5
最高でした。
最初、うわっ最初からこれか~ってアメリカ的な大味なシーンで始まるんですけど、段々これは……ってなって面白くないシーンが無かったです。一気に観ちゃいました。
所々、考えると辻褄が合ってなかったりおかしいな?と思うんですけど最後まで観ちゃうともうどうでもよくなります。
これまでもループする映画やアニメとかたくさん観てきたけど、こんなに爽やか(もやることはありますよ、そりゃ。例:妹の旦那)に終われたのは久々ですかね。ループするってことは時間軸とか相手の関係性とかが変化したりするので。どう決着つけるのかな?ってとこが納得いくもので良かったです。気付くまでソワソワしてましたが。
この映画、音楽がすごくいい!
●サラがテキサスまで帰る?行くところ
●サラが量子物理学を学ぼうとループするところ
●ナイルズがサラを追いかけるところ
センスがすごく良いと思いました。
サラ役の人が最初、ただ目がデカい大味な顔した俳優だなと思ってたのに段々可愛くなってくるのですごい魅力秘めてると感心しました。対してナイルズはダメダメダメでかっこよくないし普通だなと思ってると、やっぱり最後もダメダメダメなんだけどかっこよく見えてくる不思議。

同じ日をループし続けるって、もうわかっていることだから傷つくことも心配も不安もなにもなくて良いものじゃないのかな?と思うけど成長も学びもなくて辛いって感じるものだろうかと考えました。死にたくなるほどの辛さ。ナイルズは何百年かもっと、どれくらいあそこにとどまっていたのかと思うと気が狂ってしまってもおかしくないですね。
サラがここから出る!ってナイルズに言ったときにナイルズはここにいようって引き留めるんですけど、同じことを繰り返していた日々をやめて新たに歩き出すってめちゃくちゃ勇気いるよなって彼の気持ちがとてもわかりました。不安に感じて同じところにいるのもそれじゃダメなのも分かるし。
サラが狭いこの世界で恋したのは二人しかいないからだ、みたいに言ったときに確かにとも思いました。とても難しい。ナイルズがそれに対してだからだよ(曖昧)と言っていたけど、彼の乱れっぷりを見て最後のあの態度で本当に好きなんだな~と分かったので良かったです。たまたま好きになる人とループ世界に入ったんだなと。
私もたまに朝起きて思うんです。毎日起きてまた同じことの繰り返しかぁーって。この映画観て、そうじゃないなにかを掴めそうだなと思いました。
この映画が大好きだと思ったのは、男(主人公)自身がどうにかしてこの世界から抜け出すとか男(主人公)の力を借りて元に戻るじゃなくて、それ以外の人が自分で考えて努力して答えにたどり着いて行動するところがとても良かったです!!カッコいい~!でした。自分のことは自分でどうにかする、弱音吐いてなにもしないのなら置いてくぐらいの気概があって素晴らしかったです!ループしてても知識や経験は積み重なり自分のものになるところ本当に良かった。ナイルズは本当に最後までダメな奴で良かった。でもそれで良いし、愛しい。
エンドロールのロイが……わたし的にはとても気になりました。

どうでも良い話なんですけど、この映画を観た次の日にテレビのバラエティでお笑い芸人のやす子ちゃんがサバイバルスクールで海外に言ったんですがナレーターが場所は「パームスプリングス」って言った瞬間に「え!パームスプリングス、昨日観たよ!?」って叫びました。ナイルズとサラはここでループしていたんだって景色が広がってました。やす子ちゃんはめっちゃ頑張っていてわたしは泣きました。



吹き替えで最後の方だけ観たんですよ、字幕だと分かりにくかったことが分かりました。ナイルズは一人で生きていくよりも死ぬなら二人の方がいい、って言ってたんですね。明確に。サラもあんたとだったら死んだって別に構わないって言ってたんですね。字幕分かりにくかった。回りくどい。もっとシンプルでいいのに。私が頭悪いんだろうな。(2回目2022.12.13)
れいん

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