カサブランカの美しい色彩と、その地で懸命に生きる夫のいない二人女性の姿が、絵画の世界のように力強く美しかったです。
イスラム圏のモロッコでは、未婚の母はタブーとされています。
仕事も住む場所も失った妊婦の主人公サミアと、子供を育てつつ町のパン屋を営む未亡人のアブラとの出会い。
その出会いが、哀しみを抱えた二人の人生に光をもたらしていく。
本作は、トゥザニ監督が実際に経験した実話をもとに作られているらしいです。
その女性は、出産後産まれたばかりの子どもをすぐに養子に出し、地元へ帰って行ったきりで、監督は居場所も連絡先もわからないと言います。
この作品が、本人に届くといいですね。