さき姐

モロッコ、彼女たちの朝のさき姐のレビュー・感想・評価

モロッコ、彼女たちの朝(2019年製作の映画)
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モロッコはカサブランカ。
疲れた顔で街を歩く若い女性サミアは大きな荷物を抱え、そのお腹ははちきれそうに大きい。
重たい荷物とお腹を抱え、家々の扉を叩いて回る。

――仕事を探しているんです。

お前の助けは必要ない、皆そう言って彼女をはね返す。
夫を亡くし、8才の娘を一人で育てるアブラもまた、サミアを拒絶し扉を閉める。
夜。外を覗くと家の前でサミアが座りこんでいる。

――私の家の前で夜を明かそうとしてるの?
――いいえ。寝る場所は見つけるわ。

と言いつつも家の前でじっとする妊婦を放っておくわけにもいかず、アブラはサミアを家へ招く。
それから二人の"独身女性"の交流が始まる…


モロッコにおける未婚の母と婚外子の現状はまだまだ厳しく、サミアの子が生まれてからの展開はまあ厳しいのなんの。
タイトルになっているアダム、男の名前ですが終盤まで彼は登場しません。
ま、なんとなく察しはつくかもしれませんが、最後に画面いっぱいにアラビア文字が現れ、下に小さくAdamと字幕が入ったときは、なんともいたたまれない気持ちになりました。
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