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Exil(英題)
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『Exil(英題)』に投稿された感想・評価

4.5
【会社でのハラスメントは家庭にまで持ち込まれ...】
映画ライターの済藤鉄腸さんがコソボ映画が熱いと少し前に語っていた。彼がオススメしていた『EXIL』という作品を探していたら、トルコのMUBIで見つけたので早速観てみました。

昨今、「ハラスメント」という言葉が一般常識として定着してきた。日本でも、最近は企業でハラスメント講習が行われるほど大きな問題となっている。だが、実際のところどうだろうか?本作は、表面化しにくい嫌がらせについての映画である。

化学プラントで働く技術者のXhafer(Misel Maticevic)は、会議室につくが20分経っても会議が始まらず困惑する。どうやら知らない間に会議室が変更になっていたらしい。これで2回目だ。同僚のUrs(Rainer Bock)は最近おかしい。自分と目を合わせようとせず避けている気がするのだ。それは段々とエスカレートしていき、必要な血液テストのデータを中々渡してくれず仕事に支障を来たし始める。

一方で、家庭でも不可解なことが起こる。家の前でベビーカーが燃える放火事件が発生するのだ。彼はコソボからの移民である。通報を聞きつけやってきた警察からは小馬鹿にされる。小さな嫌らしい差別が自分を苦しめているのではと思い始めるのだ。

コソボからドイツに移り住んだVisar Morina監督が8年もの歳月をかけて描いた本作は、表面化しない嫌がらせをこれでもかと刺してくる作品である。そして、そのハラスメントが単なる加害者/被害者の構造にとどまることを回避することにより、事態の深刻さを物語っている。

まずXhaferに対するハラスメント描写だ。彼が段々と、声を荒げ始めているのを同僚達は気にする。そして、会議の場で議長が「我々は団結しなければならない、君の出身はどこかね?えっクロアチアだっけ?」と露骨に出身国を間違えたり(コソボの立ち位置こそ分からないが、日本人に例えると、フランス人に中国人と間違えられるみたいな居心地の悪さだろう)、その直後にUrsが延々とXhaferに向かって拍手して嫌味を突きつける。このシーンの空間造形が、Xhaferを拒絶するような構造になっていて印象的だ。

そして重要なのは、Xhaferは家では妻にモラルハラスメントを働いているということだ。肉体を交えるときの暴力的な仕草による力関係の誇示はもちろん、警察にサインをしないと言い喧嘩したことに対して妻が物申すとブチギレ始める。常にピリピリしていて、妻に当たり散らしているのだ。よくよく映画を観ると、会社の受付の女性に対して横暴な態度を取っていることにも気づくでしょう。

抑圧の発散の対象が自分より弱い女性や家族へ無意識に向かってしまうのだ。

どうでしょうか?本作はドイツとコソボの関係を描いただけの映画でしょうか?モラルハラスメントが日本でも問題視されているので、劇場公開は難しいにしても映画祭で上映されないかなと私は期待しています。
3.0
『亡命』(直訳)
🇺🇸Sundance Film Festival 2020
2020年 サンダンス映画祭にてワールドプレミア。
同年 🇩🇪Internationale Filmfestspiele Berlin
ベルリン国際映画祭 パノラマ部門にて初上映。
„EXIL“は、「追放」などの意味もあります。

📖あらすじ
ドイツの会社で化学エンジニアとして働くジャファー(ミゼル・マティチェビッチ)は困惑している。
会議が別室で行われるメールが届かなかったり、庭のフェンスにネズミの死骸がぶら下がっていたり、報告書のための重要なデータが隠蔽されたりと、外国人である自身に対する日常的ないじめではないかと疑念を抱いている。

ジャファーは、上司のウルス(ライナー・ボック)がそのいじめの主犯格ではないかと疑っている。

さらに、自宅前でベビーカーが焼かれたり、数日後には郵便受けが動物の死骸でいっぱいになっていたり...
ノラ(ザンドラ・フーラー)との結婚生活や、3人の子供たちとの関係にも影響を及ぼし、今やいじめは彼の私生活にまで侵入してきている。
やがて疑念は深刻な脅威と発展し、あらゆるものをネガティブに捉えさせ、彼の私生活を蝕んでいく...

コソボ出身で、脚本も手掛けたモリナ監督。
10代の頃にドイツに移住した時の経験や、2016年大晦日のケルンでの事件が作品のきっかけになったそうです。
また、批評家レビューにおいては、
「ドイツは自らをオープンだと思い込んでいるが、定義の曖昧な外国人に対する偏見があまりにも頻繁に表面化する社会である。映画の中で不快な真実を露呈させ、非常にリベラルなドイツの虚偽を映し出している」と、ありました。

長らく単一民族国家と呼ばれる日本で生きていると(最近はすっかり変わりました)、主人公のような外国人嫌悪を経験することはありませんが、
欧米で暮らす日本人が受ける差別体験を読んだり聞いたりすると、
映画の内容にも主人公の苦悩にも納得です。

観客は、常にジャファーの肩越しに、職場での彼の不当な扱いを目にします。
誰の仕業かわからない嫌がらせ、微妙な人種差別的発言、露骨に態度には出さずとも、垣間見える潜在的な外国人嫌悪。
陰鬱で質素なオフィス、黒と黄色の重苦しい配色の家の緊迫感。
小さな不快感が積み重なり、パラノイアに陥り、私生活が破綻していく。
職場でのいじめは表面化はしないけれども、間違いなく人を追い詰めている。
しかし、やっている側に認識はなく、「そんなつもりはなかった」というやつですね。いや~、無意識を装ってるそんなつもりの人が大半だと思いますけどね。
暗く、観賞後は疲れる作品です。

主演のミゼル・マティチェビッチさんは、『バビロン・ベルリン』『オクトーバーフェスト』(Netflix)
『ラウフハマー:ある炭鉱町の殺人 』(Netflix)
『ドッグス・オブ・ベルリン』(Netflix)
『ビリオンダラー・コード』(Netflix)等々、日本での公開作品が大変多いベテラン俳優です。

おなじみライナー・ボックさんは、今回は、悲しい地味な役どころでした😞