けーはち

白い暴動のけーはちのレビュー・感想・評価

白い暴動(2019年製作の映画)
3.7
RAR(ロック・アゲインスト・レイシズム)のドキュメンタリー。UKの階級社会に加えて不景気から来る移民差別、右翼勢力NFの台頭、エリック・クラプトンあたりも人種差別的なことを口走る風潮の中、閉塞する社会への鬱憤を晴らすべく、人種や性的志向、あらゆる差別に反対する若者が集まって、荒削りな演奏によるシンプルなサウンドで社会・政治批判的な歌詞をがなり立てる。そういうコンテキストがない日本人の思考からすると、パンクってただエネルギーを持て余した若者がワ〜ッと暴れるための快活なワイワイソングになっちゃうんだけど(ザ・クラッシュなんかも歌詞を抜きにすると、ぶっきらぼうな縦ノリのドタバタ応援団的な朴訥さ、元気で楽しい曲だも〜ん)カウンター・カルチャーとしてのムーブメントを見直すのにはちょうどいい佳作ドキュメンタリー。