正直この作品の訴えが分からず終わってしまった。
まず、ベターな親は子を選べない。
そして子は親を捨てられない。
と言うメッセージ性は皆無に近い。
スポットはどこに当たっているか。
親子の醜い物語？
それも薄い。
ではどこにスポットが当たっているか。
それは母親のみに当てられている。
その視点で観ていくと、この作品の訴えが見えて来る気がした。
母親の秋子をなぜ長澤まさみがキャスティングされたのか。
演技力が素晴らしいから？それもあるが、こんなクズ女でも寄ってくる男達の描写が多かった事から容姿はいいクズ女というキャラクターが浮かび上がる。
それなら長澤まさみが適役ですね。
それが分かったならその日常を紐解いていく、この母親はひと時の快楽の為に未来を汚す行動が目立つ。
パチンコ依存症。と言う点から、快楽中毒が垣間見える。
その快楽中毒の為に親や子を使い快楽を得る。
もはや人としての存在ではなく悪魔と化している様はもう恐ろしかった。
ここまで母親にスポットを当ててきたが、ラストに息子の周平にスポットが当たってくるところが中途半端というか、周平のメッセージが響くように仕向けたかったのだろうが、それならもっと断片的ではなく過程を細かく組み込んで欲しかった。
時間の短縮が大きく目立ち、周平が子供から大人になるまでを描かなければ完結しなかったの？と思ってしまった。
役者陣の猛烈な演技に心は締め付けられたが、心の行き先は見失う作品でした。
