Daisuke

MOTHER マザーのDaisukeのネタバレレビュー・内容・結末

MOTHER マザー(2020年製作の映画)
2.5

このレビューはネタバレを含みます

実話をベースに書かれた作品。
絵に描いたようなダメ女、ダメ母、ダメ人間を長澤まさみが好演。誰も救われない、今日の空模様と同様憂鬱になる作品だ。

終盤、問題を起こした息子が拘置所の接見室で漏らした一言。「母が好き…」。

俗に言う“ネグレクト”ではあるが、この親子は共依存と言うお互いをなくしては生きていけない関係でもある。この母親は働かずして子供を使って親類、知人から金をせびりその日暮らしの生活を続ける。子供は立場的にも逆らう術はなく、言いなりになるしかない。しかし親子だ。そこに愛があるのか、観る側からすると期待をしたいところだ。周平(長男)もきっと同じ気持ちだったに違いない。だが、話が進むにつれその期待はことごとく裏切られる。どんなに嫌なことでも母が頼む以上自分がやるしかない。やってもいないことをやったと言い、それをネタに人を脅したり、やがて盗みを働き、しまいには殺人まで犯す。全て母の差金だ。それでも周平は母が好きだった。彼に未来はあるのだろうか。

こんな思いをしている子供が世の中にまだまだいる。神よ、救いの手を。
Daisuke

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