これも“去年の心残り”、すっかり観る機会を逸してしまったまま、あっという間におわってしまったやつ。
これ、実話に基づく話。
庶民的な夢というか、どんなことも“始めるのに遅すぎる、ということはない”と思わせてくれる愛と挑戦とみんなと一喜一憂する素敵な物語。
どこにでもいる主婦。
朝早くからバカでかいコープで働き、老いた親に呼び出されたり、夫は自分の話もろくに聞いてもくれず塞ぎ込んでTV観てばかり、そのまま掛け持ちのバーの仕事に出かける。
今の生活に疲れ始めて、新鮮さもワクワクもない。
大して面白みもないウェールズの小さな村で。
そんな彼女がバーの仕事でたまたま立ち聞きした話に食いつく。
“競走馬の馬主”の話。
彼女は一念発起で思い立ち、いろいろ下調べを経て、夫を巻き込み、“競走馬を育てる”ことを決意する。
まずは、種付けする牝馬の購入から始まり、飼育、牡馬の選定、種付け費、飼育、調教師の手配、訓練、出走、、、。
彼女の途方もない挑戦が始まる。
当然夫婦で馬主として経営できるわけもなく、立ち聞きした話の張本人や他の村民も巻き込み、共同馬主として。
1人の主婦による思いつきが、夢、“ドリーム”に向かう何ともワクワクする話。
彼女の思いが、夫を動かし、周りを巻き込み、金持ちだらけの馬主の集まりもなんのその。
20人にも及ぶ村民共同馬主たちの一喜一憂が何とも温かい。
“週に10ポンドずつ”。2,000円弱ぐらいか。
月1万円ぐらい。投資としてはそれぐらいからなら何か夢を見れそうとか思ってしまうが、その育てた馬が栄光を見るかは別の話でむしろその可能性の方が低い。
それでも、馬と共に必死に好機を逃さず、挑戦する気持ちを忘れない。
普通のレースもあれば、障害レースもある。
まさに山あり谷ありの庶民による競走馬をイチから我が子の如く育て共に夢を見る。
20人も集まれば、一喜も一憂も大きくもなれば、お金の話になれば摩擦も起きる。
いずれにしたって、それまで人生にはなかった挑戦と刺激の数々。
リスキーな冒険でしかないが、成功しても失敗してもお金や名声だけではない人生の何かを豊かにする、上を向ける気がする、そんな風に思える温かい素敵な作品。
レースのシーンは観てるこっちも一緒に応援したくなる、希望を託したくなるごくごく平凡な紳士淑女のアツい物語。
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TSUTAYA DISCAS運営の映画コミュニティサイト「Discover us」にて同アカウント名でコラムニストをさせて頂くことになりました。
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