けーな

フォーリング 50年間の想い出のけーなのレビュー・感想・評価

3.6
認知症の父と、その父を介護する息子の日々を、過去を振り返りながら描いた作品。

もともとパワハラだった父親。そのせいで、母親は、離婚しているし、周りの人に暴言を吐いてばかりいたような人だから、歳を取って、さらに頑固になり、そりゃあもう、酷いのなんのって。女性蔑視やマイノリティ差別に満ちた言葉を吐きまくる、その圧政的な態度を見ていると、辟易となってしまい、どうも好きになれなかった。

「『ありがとう』と『ごめんなさい』を言ったことがないだろ?」と、息子が、父親に言うシーンには、ハッとさせられた。歳を取ったら、いや、取らなくても、「ありがとう」と「ごめんなさい」を言える人でいたいと思う。

しかし、認知症は、さぞかし本人も辛いことだろうと思い、胸が痛んだ。

ヴィゴ・モーテンセンが、初監督。自身の父親を振り返った自伝的な内容だと言う。

そして、映画監督のデヴィッド・クローネンバーグが、お父さんの主治医役で出ているところが、必見だ。ヴィゴが「イースタン・プロミス」など、彼の作品に多く出演している縁だろう。
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