Masato

マーベルズのMasatoのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
4.0

キャプテン・マーベルの続編に加えて、TVシリーズで活躍した二人の続編でもある本作。予習作品は「ミズ・マーベル」と「ワンダヴィジョン」だが、監督が単体でも楽しめるようにしたいという配慮で非常にザックリと教えてくれるので最悪見なくても平気。

突き抜けてはないが、面白い。というのが端的な感想。MCU史上最短の上映時間105分で3人主人公の映画を描くにあたって他のMCU作品と比べてドラマ性はかなり削られていたところは残念であるし、前作にあった社会性とかも感じられなかったが、その代わりキュッと纏まっていて疾走感のある展開、全体的にディズニーみたいにポップ、奇妙な3人の掛け合いは面白くて、ある意味ハリウッドらしいポップコーンムービーになっていた。ヴェノム2に近い。

なんといってもドラマでは不足気味だったミズ・マーベルことカマラ・カーンのアベンジャーズオタクっぷりがキャロルと出会うことで爆発していたのが良かった。カマラはこの点に関して唯一無二のキャラなので嬉しい。

モニカは久しぶりのキャロルとの再会でもあるし、カマラとキャロルはファンとアイドルみたいな関係、キャロルとモニカは家族のような関係という奇妙な三角関係のチームの掛け合いが面白く、息を合わせていくなかで、もはやヒーロー忘れて仲の良い友達と旅行してるみたいなうつつを抜かしている道中の雰囲気がとても和やかで良かった。

あまりドラマで魅力的に描かれなかったカマラの能力や新たに描かれるモニカの能力がちゃんとカッコよく、3人の連携技で繰り出さるているところも良かった。ところどころの展開にディズニーアニメーション的要素が入っていたのも面白かった。。もっと見たかった!という部分は多いが、非常によく纏められていたと思う。

ドラマ部分に関しては悪いわけではなくもっと描けることができれば良いのができたと思うようなところはあった。責任感の強いキャロルが自分が行ったことに対する罪悪感に苛まれすぎてヒーロー活動から抜け出せなくなってしまっている「ヒーローの責任」というところに、もっと大切にすべき人を大切にするべきと思うモニカとの対話や、未熟なヒーローであるカマラのヒーローとしてできることの限度など、この三人だから描ける「ヒーロー」についてのアンサンブルができそうだったのに、うっすらしか描かれていないのは勿体ないなと感じた。

ブリー・ラーソンは前作以上に凛々しくなっていて、テーマに説得力を持たせていた。テヨナ・パリスもイマン・ヴェラーニも3人ともとにかく可愛かった。

そしてMCU定番の最後の最後、今後の流れを大きく変える2つが…。やっときたか!!
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