知り合いには見せられない、自分の裏の一面。
でも、それも間違いないなく自分の一部。
SNSの裏アカで自分の写真をアップし、見ず知らずのフォロワーの男性と実際に会い、関係を持つ。
自分のアカウントのフォロワーと、いいねの数に自己肯定感を感じて安心する女性と、そんな胸中を見透かしたように言葉巧みに女性を誘い、関係を持つ男。
この二人のメッセージのやり取りと、投稿に寄せられる卑猥なコメントがとてもリアルだった。
恥ずかしい写真も、甘い言葉や卑猥なコメントも、知り合いが見ていない、見ず知らずの他人に対してだからこそ出せる自分の恥部であって、それは現実とは切り離された出来事であると誰もが思っていると思う。
でも、そんな裏での出来事が、時に現実の自分の生活に混じり混んでしまうことがある。
会社の同僚や家族にバレたら間違いなく人生詰むのに、それでも裏アカをやめられない理由。
それは自分とは違う自分がやっているというどこか他人事な感覚、バレる訳がないという根拠の無い自信、そして、身近な人には出せない本当の自分を誰かに見て欲しいという欲求が複雑に絡み合って生まれるのだと思う。
