ロアー

テスラ エジソンが恐れた天才のロアーのレビュー・感想・評価

3.3
U-NEXTのポイント消化2本目。

理系でも何でもないのに何故か好きな電流戦争。
まだそこそこ記憶に新しいところの「エジソンズ・ゲーム」ではホルト君が演じていたニコラ・テスラを、本作ではイーサン・ホークが演じています。

めっちゃ天才なのに、私の中ではハトが大好きな変人としての印象の方が強いテスラ。だからなのか、めーーーーっちゃシュールなテンションの映画でした。

変なことが起きているのに、やっている本人たちはいたって真顔。どう反応していいのかこっちが困るやつだよこれ。

テスラの妻・アンのナレーションでテスラの生涯が淡々と語られていくんだけど、当時のドレス姿のアンの手元にはきらりと光るMacBook。まあ、こんな感じの映画です。

「エジソンズ・ゲーム」はエジソンとウェスティングハウスの泥沼試合が人間臭くも熱い映画でしたが、"ユーモラスな空想を交えた"という今作では、いい歳したおじさんたちがソフトクリームをペロペロ舐めながら「エジソン君むかつく!えいっ!」とばかりに喧嘩していて、え、何?ちょっとかわいいな。ただし、世界で初めて電気椅子で処刑されたケムラーのシーンは中々に非道でした(史実なので)。

テスラがスタンドマイクを前に真顔で「♪ルール・ザ・ワールド」を歌い出した暁には、え〜!!!だからどうリアクションしていんだよこれ!しかも歌パートめっちゃ長い!!でもこの歌好きなんだよね!と、リアクションの迷子っぷりも最高潮。映画の9割方は戸惑いながら見守るしかないという、とにかくシュールな映画でした。

何にせよ、勝負に勝ったにも関わらず、コミュ障の変人テスラよりパフォーマンス力のあったエジソンが歴史に名を残す結果になったことはなんか虚しいよね。「エジソンズ・ゲーム」とこの映画のスタンスもまさにそんな感じでますます虚しいね。
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