ひ

情婦のひのネタバレレビュー・内容・結末

情婦(1957年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

二転三転からの大どんでん返しな法廷劇に夢中になってしまったー!
なんじゃこの映画!とのことで熱量多めのレビュー。

まずはウィルフリッド卿の弁護の巧さな。
普通に感心してしまう。
最初お爺メインかーと残念がってしまって申し訳ない。
すごく良い役で演技力で空気の掴み加減が素晴らしかったです。

さ、ここからはネタバレで。
ボールの人の良さそうな人柄にまんまと騙された。
マレーネ演じるクリスチーネがネタバレしてる最中にひょっこりと現れたけど、マジで誰だか気付けなかった。
それくらいに表情や風貌が一気にゴロッと変わって、頭殴られるとはこのこと。
どっちのボールも人たらし感は凄いけどな。
全ての要素を己の手中にしちゃう人。

クリスチーネは最初から最後までミステリアスで、とにかく美しい。
マレーネの完全なハマり役。
ウィルフリッド卿も太鼓判の「ウソの女」であるからして何かあるんだろうなぁとは思ったけど、そうきたか!とこちらも脳震盪。
ストーリーとしても勿論だけど、マレーネの演技力に脱帽する。
演じ分けに気付いた人なんて居た?居なくない!?
クリスチーネが髪をかき上げた時に糸が繋がる感じ、震えちゃった。

お顔の美しさや美脚に騙されるけど、この時のマレーネは50代。
どう見たって30代だけど50代後半。
髪をかき上げる手の皺にビックリした。
「シワシワやん!」じゃなくて「何者なん!?」のビックリ。
クリスチーネの妖艶でミステリアスな、只者ではない感じにトドメを刺された。
マレーネ作品の最高峰だと思う。

いずれにせよ、クリスチーネは芯がブレなくて賢くて不器用で愚かな女。
女の信念と恨みは紙一重。

最後の注意喚起も良いよね。
昨今では長々としたエンドロールを見ない人が増えてる中、比較的エンドロールが短い昔ならではなのかな。

タイトルを「検察側の証人」ではなく「情婦」にした日本人よ。
普段だったら邦題ミスと罵るところが、この映画に限っては口閉じちゃう。
奥深さに感服します。

しいて小言を言うと、看護師役のおばちゃんは不要だったな。
ここのコメディアスな緩急差が良いのかも知れんが、何しか五月蝿い。

どんでん返しの最骨頂を堪能させてもらった!ありがとう!
ひ