ナツミオ

情婦のナツミオのレビュー・感想・評価

情婦(1957年製作の映画)
4.0
NHK-BSプレミアム
録画鑑賞

マレーネ・ディートリッヒの美貌とロートンの演技が光るアガサ・クリスティ原作、ワイルダー監督の傑作裁判劇。
アカデミー賞6部門ノミネート。

1957年米作品・白黒
監督・脚本 ビリー・ワイルダー
原作 アガサ・クリスティ『検察側の証人』
脚本 ハリー・カーニッツ
出演 タイロン・パワー チャールズ・ロートン マレーネ・ディートリッヒ エルザ・ランチェスター

1952年英国・ロンドン
大病で入院していた法曹界の重鎮ウィルフリッド卿(ロートン)が、お付きの看護婦ミス・プリムソル(ランチェスター)と共に退院し彼の弁護士事務所へ復帰する。
早速、未亡人殺しの容疑者レナード・ヴォール(パワー)の弁護依頼を引受ける事になる。
アリバイはドイツ人妻クリスチーネ(ディートリッヒ)が証明できるのみで、しかも彼女の態度・様子が何故か不自然なことから、証言抜きでの弁護を開始するが・・・

ヴォールとクリスチーナがドイツ占領下に出会うシーンが回想で語られる。酒場で英国兵士相手に歌うシーンで、彼女の歌と100万ドルの脚線美が観られる。

何か隠しているクリスチーナ。
ウィルフレッド卿が、依頼人の言動を試す為、自分の片眼鏡で光を反射させ相手の顔に当てて見定めるなど、老練な弁護士役の雰囲気が良く出ている。
付添看護婦ミス・プリムソル役は実際にロートン夫人のランチェスターが口うるさいところを嬉々として演じているのも納得。

タイロン・パワーは、ハリウッド・スターとして本作で演技派への転換に成功するが次作撮影中に急死し本作が遺作となる。

お気に入りシーンは、
やはりディートリッヒ演じるクリスチーナのクールな美しさと演技に見惚れてしまう。
後半の展開は、目が離せません!

アカデミー賞主演男優賞ノミネートされたロートンの演技も見もの。
裁判中机に薬の錠剤をパズル状に並べて思案したり、看護婦に内緒で持ち込んだプランデーを飲むところなど、コミカルな場面も。
この辺りはワイルダー監督・脚本の手腕。

最後まで気を抜けない傑作法廷劇。面白いです‼️
ナツミオ

ナツミオ