Nana

ファーザーのNanaのネタバレレビュー・内容・結末

ファーザー(2020年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

《ファーザー》

アンソニー・ホプキンスが最高齢にしてアカデミー賞主演男優賞受賞、納得の演技とはこの事だったんだ…
凄まじい演技に素晴らしいとしか言いようがなかったです。

老いによる認知症とは誰がなるかはわからない。
今や簡単な血液検査で“認知症“ではなく“認知障害“とゆうかなり軽度の状態でも分かる時代になり、軽度であれば治る可能性もある…?と言われているが、進行すればやはり止められない。知識だけは勉強する機会があっても、実際には自分が経験してる訳ではないから簡単に言える訳でもなくて…

時間、場所、人物、見当識障害、認知症の方にはどんな景色が見えているのだろう…⌚️
映像に起こすことによって、疑似体験出来るとゆう不思議な体験でした。


アンソニーに対して“否定“の言葉を浴びせる事で、作中でも辛く苦しい場面もあります。
例えば虐待のニュースが多いこの世の中で、幼児や認知症の方に対して手をあげてしまうこと、暴言を吐いてしまうこと、頭では絶対しちゃいけない事だと分かっているけど人間追い込まれると実際どうなるか分かんないよね…という怖さも感じる。アンソニーの頬をぶっていたあの男も妙にリアルで。


また演出方法が更に混乱を……
幻想なのか、妄想なのか、何が真実??
アンがアンソニーの首を締めてしまったシーンは精神的に追い込まれてしまった妄想よね?
アンソニーの記憶の中を覗いている観客側(わたし)も同じように混乱する。

そして最後にああ、数ヶ月前からもう施設にいたんだ…と何となーく腑に落ちて、涙なしでは見れなかったというすごい映画で余韻がすごくて。

とんでもないおじいちゃんだよホプキンス。


🔍
色々な考察記事を読み漁っていたんだけど、
『水色が侵食する』
という、作品の中で水色と赤色の効果を意味している演出について書いてる方がいて、鳥肌が止まらなかった。


🎞〚2021.019〛
Nana

Nana