- What about me? Um… Who… exactly am I?
何かがおかしい
何かがおかしいのだけれど
自分がおかしいのか
周りがおかしいのか
それがわからない
家族に限界がきていることも
自分がもしかしたらおかしいことも
全部ほんとうはどこかでわかっている
でも何がおかしいのかわからないから
どうしたらいいのかわからない
外ではかつてと変わらず青葉が風に靡く
わたしはどこへ向かうのだろうか
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全く新しい”体験型”ムービー
アンソニーの混乱が混乱のまま画面に提示され、彼の混乱を疑似的に視聴者は体験していく
認知症の苦しみは周囲の人の反応を通してのみ描かれることが多かったようにも思うが、この作品は家族の苦しみを後景化させることもなくしかし第一義的に本人の苦しみの問題として再定義する
いわば、苦しみを当事者の手に返すかのような誠実な作品だと思う
一方、残酷さ=リアルさ、みたいな考え方はイマイチ好きではなくて、確かにかなりのレベルで認知症当事者の真実を捉えているとは思うけど、さすがにやりすぎでは?とも思う。
この物語のラストを希望と見るか虚しさと見るかは見方にもよると思うけど、多くの人が避けられない認知症というものの残酷な側面のみを誇張して提示することはどうなのだろう、とモヤモヤしたのも事実。