いろんな意味でスゴい…というか考えさせられる映画だった。
認知症を患った老人と、その娘との家族の人間模様を描いた作品です。
2人以外にも、老人が思い通りに行かないことに腹を立てている娘の夫、新しい介護ヘルパー、介護施設のスタッフ…なども含めて物語が進んでいく。
主人公である老人の視点でストーリーが描かれているのが特徴的で…観てて怖くなりつつスゴい泣けてきた。
認知症の人が本当にこういう視点で生活しているのなら、自分がその立場に立ったら怖くて仕方ないと思う。
会話も記憶することが難しくなり、人の顔すら違う人と重なって、時間軸も完全に曖昧になってしまう…って本人は怖くて仕方ないと思う。
本人が見ている世界から、正気が戻り突然本当の世界に連れ戻された自分の混乱したのがいたたまれない。
ただ、最後は娘と父との2人の物語や、2人の会話を観ると泣かずにはいられんです。特に終盤の2人は涙腺崩壊だった。
主演のアンソニー・ホプキンス、オリビア・コールマン凄い。
しかも老人の役名アンソニーって、役者と同じ名前にするって、なんか演技観てるような感じしなかった。
舞台劇を観てる感じだった。ほとんど家の中で話が進むし、会話が中心だから…こういうの舞台でやってくれたらおもしろいんじゃないかなーとか?
観てる方も何が本当なのか最後までわからない場面も出てきたり…これはもう一回見ないとわかんないなぁーと素直に思った映画だった。