このレビューはネタバレを含みます
2023.09.26
つらい。登場人物全ての人の気持ちがわかるからなんとも言えない。
認知症のお父さん目線で作られた作品で、所々何が本当で何が幻覚?妄想?なのかわからなくなる。確かにこの状況に陥ってみれば周りの人に疑心暗鬼になるのもわかるかもしれない。認知症の人を見ていらいらするとか理解できないとか正直わかるけど、なった方も扱いや情けなさでつらいのだとわかった。
アンはお父さんが家のことや自分のことを忘れていって、介護をしているにも関わらず余計なお世話だと怒鳴られ、でもお父さんだから放置するわけにもいかないという状況がとてもつらく感じた。
アンの夫に関しては、実の父ではないから言えば最近あった赤の他人なわけでその他人に怒鳴られながら自分たちの生活を切り裂いてまで世話をしなくてはいけないと思うと、お父さん目線から見るこの作品から考えるとと嫌な奴でしかないが同情してしまう。
自分が普通に生きていると思っていても実はどんどん物事を忘れていっていて周りからは除け者扱いにされるというこんな病気が年老いた人間の多くがかかると思うと、なんてつらい世界なんだろうと思う。
誰しも数年後、数十年後または明日には起こるかもしれないこの状況をどう過ごしていくか考えなければならない。この作品を見てよかった。