ギャンブルで金を失い、サラ金から借金を重ね生活しているダメな主人公。かつて映画の助監督を務めていた時に書いたシナリオを孫が偶然に入手。昔のシナリオを孫と一緒に描き直していく事で人生の再生を図る人間ドラマ。どんなにダメな人間でもきっかけがあれば再び輝ける。人生をやり直すには遅すぎることはない。山田洋次監督らしい温かいメッセージが全編にあふれた良い作品だ。コロナ禍の緊急事態宣言で映画館に休業要請が出され、映画館が苦境に陥るシーンが描かれている。「映画は不要不急ではない。もっと映画の持つ文化的価値を評価して欲しい」とのメッセージが込められているように感じられてならない。
