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チィファの手紙のMHRのレビュー・感想・評価

チィファの手紙(2018年製作の映画)
4.5
所々ひっかかったけれど、好きな映画だった。ある側面からはいい映画だと思う。ある側面からみれば「何?」「ちょっとやなきもい感じ」「なんで?」がちらほら出てくる映画だった。きもい、は完全に私の感覚だけど。さて概ね結構好きだった。ラストシーンなんかすごい良かったし所々すごく好きだった、ただ引っかかる部分がある。だから好きな映画なんだろう。完璧に瑕疵を見出せないものが見たいわけでもない。そういう、合う部分と合わない部分が一歩引いてわかるような映画がいい。別に予想していた方にはいかなかったが、テーマを推定出来るようになってからはよくわかった。家族は経営され続けるが、構成員は特に構成員だけというわけでもなくふつうに一人一人のキャラクターである、といった様子があんまり東アジアっぽくなくて良い。わかる。なんだかんだ結構好きかもしれない。映像は良かったし演技も概ね良かった、少しのテーマが良かった、そして中国語がわかればきっともっとよかっただろう。私はこれ日本版を見られない(きもいと感じたところが多分でかくなりすぎてしまう)から、こちらでよかった。というかたぶんこちらがよかった。

岩井俊二と知っていたからか、どうにも空気感が伝わる。身近なものとして捉えていられるが、習俗であったり、外見であったり、そうしたものが中国的(私にとっては近しい他国)であるから、なかなか不思議な心地。何となく異国であるような感じ、が逆に自分に合っていたのかもしれない。都市の生活者でもどこかの生活者でもない感じ(みたいな話も触れられていたが)。こういう映画をどう位置付ければいいんだろう。特別出演の胡歌がいい仕事をしている。逆に秦昊が合っていないように感じた。もっといい俳優さんだと思うから、今回は追いつかないだけだったのか。張子楓はすごくいい。大体、知っている人がいっぱい出てきてびっくりした。あまり情報を入れていなくて良かった。
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