産まれながらに慢性疾患を患い、車椅子で生活を送っている主人公が、ある日、服用している薬の種類が変わった事に不審感を抱き、母親の行動に疑問を抱くミステリー。主人公が母親に不審を抱いた事に母親も気付き、主人公を追い詰めていくプロセスが何とも恐ろしい。本来なら、母親が命を懸けて娘を守らなければならない立場にありながら、主人公を閉じ込め、逃げないように車椅子を鎖で繋ぐなど、行動もエスカレート。主人公の母親に裏切られた絶望感と恐怖心がストレートに伝わってくる。果たして主人公は生き延びることができるのか。意表をつくラストと共に、最後までスリリングで目が離せない見応えのある作品だった。
