メタ壱

キャプテン・フォックス 反逆の芸術家のメタ壱のレビュー・感想・評価

3.4
保険会社の経理部で働くアレックスはある日友人に誘われ全く興味のないアートイベント会場を訪れる。
これまで真面目で正直に生きてきたアレックスだったが、美しい女性芸術家・ペネロペと出会いとっさに自分も芸術家であると嘘をついてしまう。
その上、成り行きで二週間後のアートコンテストに作品を出品する事になってしまいアレックスは途方に暮れる事に…というお話し。

アートとか芸術ってそれに詳しくない人にとっては難しく敷居が高いと感じてしまうものだし、近代芸術なんかは説明を聞いても「はて?」ってなるものも多い気がします。

もちろんそういった作品もアートである事には変わりありませんし、芸術に明確な定義なんてないと思っています。

だけれど自己表現としてのアートが他人に伝わらないものなのであれば、それは他者に伝える為の自己表現としては失敗なのかもとも思います。

解る人だけに解ればいい、みたいなアートは格式は高いかもしれないけれど閉鎖的だとも感じます。

とはいえ、自己を何らかの形で表現しそれを他者に伝えるというのはとても難しい事。

だからこそ色々な形の多様な表現が生まれるのだろうし、だから一番の間違いは「これはアートである、これはアートではない」「彼はアーティストである、アーティストではない」というような無意味な区分けなのだと思います。

表面的なレッテルでその価値を判断されがちなアート。
そしてそれは人も同じ。

フォックスにとって仮面はそんなレッテルを剥がし、“本当の顔”を顕にするための、それこそ素顔なのかもしれません。
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