特売小説

ビバリウムの特売小説のレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
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「結婚の条件」で使われていた「Happy Families」でその存在を知り一時期は弩嵌まりしていたXTC、その彼らの楽曲との久し振りの再会がまたよりにもよって本作という事ですからしてこれは、なにか皮肉めいたものを感じてしまう訳ですけれども。

面白かったすよ。

観終わって思い返せば死んだ目で臨む以外にない退屈の中、思いがけず娯楽に触れその喜びを身体で表現する二人の姿が悲しかったなぁ、なんつって。

不条理な結末も問題から目を逸らし続けたが故なら百歩譲って因果応報、でも解決に努めても結果が同じじゃあ牢獄も牢獄、救いなんかないじゃないっすか、なんつって。

或いは彼女自身もまたそうやって育てられたのだと誰が否定出来ると言うのかね、と解釈した方が絶対に面白えから俺はそうするぜ、な地獄巡りのビジュアル、演出も最高でしたけれども。

でも映画ならなにかもう一つ要素が欲しかった、或いはこれ以上足したらきっと興醒めだろうからドラマの1エピソードとして40分で見せた方が良かったのではと、思いましたよね。
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