パーコーメン

ビバリウムのパーコーメンのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
4.1
マイホームを探す為にヨンダーという地を訪れたカップルがその地区に閉じ込められるサイコホラー。
鮮やかな色合いと同じ家が延々に並ぶ人工的な世界、奇妙な世界に突如現れた謎の赤ん坊によってトムとジェマのカップルは精神・肉体を追い込まれていく。
金切り声で疲弊させテープレコーダーのように会話を真似する謎の男の子の不気味さが魅力の一つ。何も変わらない世界で土の色が違う、その微妙な違いで穴を掘り続けるトムとギクシャクしたトムとの関係を埋めるように謎の子の子育てにはげむジェマの崩れていくカップルには目も当てられない。
ストーリーは冒頭の托卵シーンから大体察しがつくがその不気味さと男の子の奇妙さに引き込まれる。脱出した男の子自体も短時間の成長と不動産屋オーウェン氏の老衰死を見てると確実に長生きする事が出来ない未来をどう思っているのか。育ての母次第で倫理観は変わるものなのか気になる所。
謎な展開も多いがヨンダーで男の子を育てるサイクルは分かるのだがあの宇宙人的な種族はどこからやって来てるのか、あの世界の実態は何なのか。終盤は少し長くダレた。
想像力をかきたてる疲弊する新感覚ホラー。面白い。