ギャス

ビバリウムのギャスのレビュー・感想・評価

ビバリウム(2019年製作の映画)
3.2
冒頭の"カッコウの子育て''が全てのようで、そうでもない。
子どもや家の気持ちいいほどの気持ち悪さがこの映画の1番の持ち味。
息苦しく救いもないが意外と面白かった。

ネタバレ
これはフィクションのホラーのようで、実は単なる現実の子育て物語と思えば、不思議な箇所はあまりない。
子どもは金切声で要求を表し、親のマネをし、あっという間に育ち、よくわからないゲームに没頭し反抗し、ふとどこに行くかも告げずに外へ出て、知らない場所で何かを学び、親に特に感謝することなく、、
その間父親は仕事に没頭して家を構わず、母親は子育てを任され、そしていつの間にか年を取り死を迎える。
他にどこにも行き場はない。
どの家庭も蓋を開ければ同じようなもの、みんなそれぞれ悩みを抱えている。

もちろん自由で開放的で笑顔に満ち溢れた家族も存在するが、
この映画のような家庭も多いのでは?
これはホラーのようでホラーではないところが、1番のホラーなのかもしれない。

それにしても、効率の悪い。
家庭によっては失敗するし、そもそもこんな環境で育つことにメリットはないはず。
その辺の設定がゆるくてノイズになってしまう。
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