パーコーメン

宇宙でいちばんあかるい屋根のパーコーメンのレビュー・感想・評価

4.7
現状に不安や悩みを抱える14歳の女の子が謎の老婆・星ばあに出会い心揺らいでいくファンタジー作品。
桃井かおりさんのキャラクターはこの作品の魅力の一つ。時に飄々と時に繊細に年齢を感じさせたり感じさせなかったりの芝居、というか桃井節は相変わらず面白い。清原果耶さんのまだ染まってない純粋さとのコンビ感も抜群。
現実とファンタジーの配分も絶妙。ダンスの場面も良いですね。上達していく水墨画や特に狙ってないセリフが良いリアリティ。糸電話やキックベース、臙脂色の屋根、クラゲなど印象深い物も情景も多い。そしてちゃんと繋がるし。
一つ言わせて頂くなら清原さんは14歳の中3には見えない。醍醐くんだって中3には見えない。そこだけ引っかかった。
素朴な映画だけど丁寧でそれぞれの人となりを伺いたくなる家族愛の作品。15年後のエピローグも丁寧。