もめん豆腐

宇宙でいちばんあかるい屋根のもめん豆腐のネタバレレビュー・内容・結末

4.7

このレビューはネタバレを含みます

ファンタジーが苦手なのに溜まった洗濯物を畳む苦行のお供に、ながら見しようとしたのに、全然洗濯物を畳めなかった。もう釘付け。エンドロールで清原果耶ちゃんの歌を聞きながら流れゆく数々の関わってくれた人たちに企業団体に感謝した。こんな素敵な映画を世に出すことに尽力してくださって、ありがとうございます。
ファンタジーなので話に現実味などはない。だけど中学生の切なくて甘酸っぱくて好きなのに反対なことしちゃったりが盛りだくさん。出てくるほとんどの人に愛おしさを感じた。星ばあに会えて心の底から良かったねと思う。それは星ばあも同じ気持ちだから、つばめちゃんに会えてとても嬉しくて楽しかったから、糸電話が降りてきたんだよね。糸電話って声を聞くというより、耳に響きを与えるものだと思うの。電話より、より一層生を感じる。クラゲのような星ばあとお笑いのツッコミ担当のようなつばめちゃんのふたりのやり取りはクスッと笑えて、そして心に小さなあかりを灯した。あの屋上から見上げる空も見下ろす屋根屋根も、きっといくつになっても褪せることなく心で再生させられるのだと思う。
この短い時間内でドタバタすることなく、つばめちゃんの生育環境も亨くんのことも星ばあのことも、すぅーっと入ってきた。ただ、星ばあが家族と会えなかったのか会おうとしなかったのか、そのへんはわからなかったけどあんたにはまだわからないよという大人の事情を匂わせてたから何となく検討はつく。それでも会いたい人には生きているうちに会った方がいい。お互いに会いたいのであれば、ね。
桃井は相変わらず唯一無二の役者だったわ〜。子供の頃に観た『小児病棟』『ホームスイートホーム』以来、大人になってから再放送で一気に観た『花へんろ』でも魅力が爆発してて、ずっと好きな役者さん。特に『花へんろ』の静子役は素晴らしくて、東京生まれ神奈川育ち東京在住なのに今でも「〜ぞなもし」って言ってマネしちゃう。あの静子の柔らかさは桃井にしか出せない。沢村貞子、加藤治子、両巨塔に負けない強さもあった。
それにしても伊藤健太郎さんが復帰出来ていて、とても嬉しかったよ。この人もどの役をやらせても“その役”に見えるのが凄い。小出恵介さんも戻ってきて欲しいな。
もめん豆腐

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