もめん豆腐

家族ゲームのもめん豆腐のネタバレレビュー・内容・結末

家族ゲーム(1983年製作の映画)
3.4

このレビューはネタバレを含みます

昭和世代としてはドラマ版『家族ゲーム』に馴染んでいた為、映画公開当時どうしても映画版には馴染めなかった。ドラマは軽快でテンポが良くカラッとしていたのに対して、この映画版はじとーっと湿っぽく薄気味悪い雰囲気を漂わせてるからか、みなさんが絶賛する意味がさっぱりわからなかった。今回ん十年ぶりに観てみたら冒頭30分くらいは同じ違和感を感じたままだったものの、途中からこれはこれで面白いと感じるようになれた。どうしてもみなさんが仰るほど松田優作さんが好きになれないのもある。そしてやっぱりお父さん役は伊東四朗ちゃんが良かったな。
船に乗ってやって来る家庭教師。主人公家族は機能不全家族らしい。団地?は豊洲か晴海かな〜、まだ開発前の空き地が昭和らしくて、空き地にキュンとした。今じゃ23区内に空き地なんてそうそうない。
序盤はただただバカ丸出しで、なぜいじめられてるのかもわからないし、茂之のことが全く掴めないが、少しずつ“コイツは弱くていじめられてるのではなく戦ってるのでは?”と思わせるほど、茂之側からもいじめっ子に挑戦しているし、囲まれても相手が何人だろうとも取っ組み合いを続ける彼をいつの間にか応援していた。成績が悪かったことによって起っていた歪だった人間関係が成績が伸びたことでさらなる歪さを増してラストに流れ込んでいく様は皮肉好きには堪らない展開。吉本からケンカのやり方を教わる→実践→受験校合格からの食卓という名の家族の崩壊を見せてくれた。生半可な機能不全より豪快な機能不全の方がマシだよな。
映画の中のセリフにバットが〜と度々出てくるのは「金属バット殺人事件」があったからなので、気になる方はググってくださいまし。だからって親が学校に行かずに家庭教師に面倒ごとを頼むなんてナシだよね。両親ともにナイわ〜。
追記 狂ったご近所さん役の戸川純がお久しぶりでときめいた。お尻だって洗って欲しいよね✨
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