ツタヤ

宇宙でいちばんあかるい屋根のツタヤのレビュー・感想・評価

3.1
藤井道人監督は作品の振り幅が広い監督さんですね。前作の社会派映画「新聞記者」からは一転、今作は14歳の少女を主人公に据えた青春ファンタジーでした。映画全体に漂うどこか絵本を思わせる柔らかい雰囲気がいい。

一番好きだったのはファミレスでのシーン。清原果耶が目の前で突然泣き出したことに驚き、笹川マコトがナプキンを差し出そうとする場面でのぎこちなさや微妙な間がおかしくて絶妙でした。14歳の時って女子と話すのがあんな感じに苦手ですよね。

ただ、個人的に今作の桃井かおりのクセのある演技はどうも苦手でした。喋り方もなんだかドラゴンボールの孫悟空っぽい。この手の役柄ではどうしてもチラついてしまう樹木希林さんの影、彼女のような可愛げがあって憎めない演技が見たかった。

主演を務めた清原果耶は、大人と子供ちょうど真ん中の多感な時期を好演しています。演技に硬さは若干見えるけれど凛とした瞳と透明感が印象的。歌声も良かった。歌まで歌えるとなるとこの先一時代を築くかもしれませんね。

伊藤健太郎の主演をサポートする演技も好印象です。ここ最近はどの作品でもずっといいですね。なお、書道教室の先生を演じた山中崇のことを少女をつけ狙う変態ロリコン野郎だなと思いながら見てしまった事は内緒。ごめんね先生。
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