ツタヤさんの映画レビュー・感想・評価

ツタヤ

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悪は存在しない(2023年製作の映画)

4.2

独特なユーモアセンスと居心地の悪い緊張感が渦巻く106分間。リアルで不穏な会話劇には引き込まれました。そして主人公たちに待ち受ける衝撃の結末に唖然。何だかようわからんが凄いものを見た気がします。圧倒的>>続きを読む

ワイルド・スピード/ファイヤーブースト(2023年製作の映画)

2.4

大規模予算のオールスター映画ですが、その増えすぎた登場人物を持て余している印象です。シリーズを重ねるにつれゾンビ映画の様相も帯びてきている。この人たちは一体どうやったら殺せるんですかね。

1秒先の彼(2023年製作の映画)

3.4

台湾版オリジナルは鑑賞済み。そのため物語に驚きは無く、映画的な妙味を日本版ではあまり味わえませんでした。クドカンにしては意外に無難な脚色です。

また配役にも違和感あり。岡田将生では人よりワンテンポ早
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名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)(2024年製作の映画)

3.6

物語を牽引するのは殺人事件の推理ではなく、函館を舞台にしたお宝探し。

これはこれで観光案内的な側面もあって楽しかったです。函館行きたい。ラッキーピエロ食べたい。夜景が美しく描かれていたのも印象的。コ
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ゴーストバスターズ/フローズン・サマー(2024年製作の映画)

2.3

前作はノスタルジーとジュブナイルの芳香が漂う及第点映画になっていましたが、今作は凡作でした。手垢のついた脚本を通り一遍に撮った感じ。

ビル・マーレイやダン・エイクロイドなど、せっかくの再登場も登場人
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オッペンハイマー(2023年製作の映画)

3.8

時間軸を巧みに操って語られる天才科学者オッペンハイマーの栄光と没落。伝記映画となる今作でも、時間軸を解体再構築するいつものノーラン節は健在でした。

複雑な時間構造だけでなく登場人物や専門用語の多さも
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デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

3.6

前作よりはだいぶ面白かった。救世主神話を基底とした物語に目新しさこそありませんが、圧倒的な美術と撮影、それにハンス・ジマーの重低音に凄味を感じます。3時間近くの長尺もさほど苦にはならなかった。ただ、覚>>続きを読む

ゴールド・ボーイ(2023年製作の映画)

3.7

評判が良いので見ました。展開の予測のつかなさにおいて際立ったクライムサスペンス。少年少女を主役に据えているせいか、それとも沖縄のスカッとした青空のせいか、シリアルキラーものにしては見ていてさほど不快感>>続きを読む

四畳半タイムマシンブルース(2022年製作の映画)

4.2

実写版「サマータイムマシン・ブルース」は大好きな映画で、アニメ版「四畳半神話大系」は未見。

今作にも実写版の面白さは持ち越されていました。壊れたリモコンを巡るタイムトラベルと、大学生のゆるい日常が奇
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ちひろさん(2023年製作の映画)

3.2

水の底に堕ちた、ちひろさんにリリー・フランキーが言う「そのまま沈んでおけ。人間はもがかなきゃ浮かんでくる。」そんな感じの台詞が好きでした(うろ覚え)。

ただ、今泉作品にしては会話の面白さは少なめ。ま
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落下の解剖学(2023年製作の映画)

3.1

第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門で最高賞のパルムドールを受賞したヒューマンサスペンス。

どんなオチが待っているのかと色々と想像しながら見ましたが、これはア〜となる脱力感。なんともフランス
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マダム・ウェブ(2024年製作の映画)

3.7

アメリカでのあまりの低評価&大コケに心して見ましたが、意外にも面白かったです。

登場人物が皆さん戦闘力に乏しいせいか、展開は逃走劇が基本。アクション映画としての派手さはありません。それでも間断ない緊
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ボーはおそれている(2023年製作の映画)

3.2

どこまでが現実でどこまでが空想だったのか?迷路の中を彷徨うような3時間の鑑賞体験。矛盾が矛盾のまま放置されていくので、自分の頭では理解の及ばないシーンがほとんどでした。

それでも先の読めない展開に身
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カラーパープル(2023年製作の映画)

3.5

力強い歌声と躍動感のあるダンス。序盤はミュージカルの醍醐味を味わせてくれて良い!と思いました。それでもセリーの40年間を描くのに141分という上映時間は尺足らずで、色んな描写が駆け足になっていく。オリ>>続きを読む

エスター ファースト・キル(2022年製作の映画)

3.7

配給会社にテキトーな邦題をつけられてしまった「エスター」シリーズの第2弾。ファースト・キルという副題を持ちながら、冒頭から繰り広げられる精神病院での大虐殺には、思わずおいおいと声が出ました。

それで
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PERFECT DAYS(2023年製作の映画)

3.7

洗練されたトイレ清掃の所作。役所広司の佇まいが素晴らしくて、それを縁取る映像と音楽も最高に洒落ていました。ヴェンダース監督のカメラを通すと、見慣れた東京の街もぐっと魅力を増して見えるから不思議です。>>続きを読む

カラオケ行こ!(2024年製作の映画)

4.2

原作未読。これはクスッと笑えてしかも結構に突き刺さる、小品ながらも愛すべき良作でした。狂児に対する純な想いの詰まった「紅」熱唱は、聡実の心に同期して堪らなく熱かった。

エンディングで「紅」合唱バージ
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哀れなるものたち(2023年製作の映画)

2.3

男女差別だったり貧富格差だったりの社会批判を背景にした作品なんでしょうけど、それを描くのにここまで性描写てんこ盛りの映画にする必要があったのでしょうか?可笑しみを持って見られるレベルを超えて最早えげつ>>続きを読む

TAR/ター(2022年製作の映画)

3.0

説明的要素を削いだトッド・フィールド監督の語り口が感情移入の余地を廃してしまう。感情の乗らない主人公がモンハンとかってなっても正直勝手にしろとしか思えませんでした。それでもケイト・ブランシェットはさす>>続きを読む

ゴールデンカムイ(2024年製作の映画)

3.6

原作を極めて忠実に再現。一歩間違えれば茶番になりかねない原作の持つ空想性は山崎賢人の身体性によって担保されていました。豊富なアクションは見応えあり。玉木宏の鶴見中尉も脳汁したたる再現度の高さです。>>続きを読む

シャイロックの子供たち(2023年製作の映画)

3.8

原作未読。スケールは他の池井戸潤作品に比べると小ぶりな印象ですが、行内をめぐる問題が徐々に浮き彫りになっていく展開には澱みがなく、最後まで興味を持って見ることが出来ました。

決定的スターは不在でも、
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劇場版 SPY×FAMILY CODE: White(2023年製作の映画)

2.6

捻りと厚みを欠いたお子様向けなシナリオ。アーニャの魅力1点頼りのうんこ映画でした。あ、うんこは悪口じゃないですよ。

ハンガー・ゲーム0(2023年製作の映画)

3.1

「ハンガー・ゲーム FINAL:レボリューション」から間があきすぎて、どんな話だったのかすっかり忘却の彼方。「メイズ・ランナー」あたりとも記憶がごちゃつく有り様で、あーそんな話だったかもと何とか思い出>>続きを読む

Winny(2023年製作の映画)

4.4

金子勇氏の食えないキャラクターが面白い。これに手堅い演出や的確な配置の役者陣も相まって、見応えのある良作に仕上がっていました。

尖った才能を潰してきた日本社会。松本優作監督はそんな日本社会を辛辣に描
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(2023年製作の映画)

3.8

実際に起きた障がい者殺傷事件をモチーフにした同名小説の映画化。面白いとか面白くないとか、そういうものさしでは測れない作品でした。社会が目を背ける残酷な現実の一端。

意思疎通の図れない障がい者には生き
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ウィッシュ(2023年製作の映画)

3.2

ディズニーの創立100周年を記念して作られた作品としては些か物足りない出来だと思いました。これまでのディズニー映画で使い回してきた物を引っぱり出してつなげた希釈な集大成という感じ。新規軸は希薄。

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ウォンカとチョコレート工場のはじまり(2023年製作の映画)

3.8

「チャーリーとチョコレート工場」とはまた異なる面白さ。ティム・バートン監督の才気とジョニー・デップのカリスマ性に牽引されたダークな前作から一転、今作はハッピーでスイートなミュージカル映画になっていまし>>続きを読む

search/#サーチ2(2023年製作の映画)

4.1

「search サーチ」シリーズの第2弾。前作から監督と脚本、さらにはキャストまでが変わっているのに、面白さは継続。これは予想以上の出来栄えでした。二転三転するスリリングな展開。デジタルスキルの趣向も>>続きを読む

⻤太郎誕生 ゲゲゲの謎(2023年製作の映画)

3.3

評判が良いので見ました。自分の持つ鬼太郎のイメージとは異なる「犬神家の一族」テイストな因習もの。金田一耕助が今にも登場しそうな世界観を背景に鬼太郎誕生のエピソードが語られます。おぞましい人間の業と反吐>>続きを読む

マーベルズ(2023年製作の映画)

3.0

キャプテン・マーベル、ミズ・マーベル、モニカ・ランボーの3人が揃ったことで世界観の厚みは増しているんだと思います。

ただし当方、ドラマについては未見。キャプテン・マーベルが知らん2人とチームを組んだ
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正欲(2023年製作の映画)

4.3

原作未読。何を普通とするのか?劇中何度も出てくる「普通」という言葉の危うさについて考えさせられる。基準に寄せて生きる事の苦しさに気づかされた時、深く胸を打たれる作品でした。これは独身生活が長い人ほど胸>>続きを読む

ゴジラ-1.0(2023年製作の映画)

3.7

「シン・ゴジラ」が良かったので見る前のハードルも自然と上がってしまいますが、多彩な演者とVFXが噛み合い飽きる事はありませんでした。誰もが楽しみやすい作品になっていると思います。

ストーリーは売れ線
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ニューオーダー(2020年製作の映画)

2.6

第77回ベネチア国際映画祭で銀獅子賞(審査員グランプリ)を受賞した作品。

貧富の差に起因して社会秩序が崩壊していくという、メキシコでは現実味があるのかもしれませんが、日本国民にとっては真の理解がなか
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愛にイナズマ(2023年製作の映画)

4.5

石井裕也監督の中でも「舟を編む」「ぼくたちの家族」などに並ぶ成功作だと思いました。泣き笑いが残す暖かな余韻。

とにかくシリアスとコメディのバランス感覚が絶妙で、140分という上映時間もまるで苦にはな
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キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン(2023年製作の映画)

3.6

長いけれどあっという間、、という類いの作品ではなくて上映時間206分の長さはしっかり感じました。先住民族の連続殺人という凄惨な実話からくる重みのせいか、体感時間もきちんと長い。

それでもそんな長尺を
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窓辺にて(2022年製作の映画)

3.3

ドロっとしそうな内容をさらりと描いてしまう今泉マジック。感情の起伏が少ない会話劇に退屈さも感じつつ、何だか心地良かった。特に観後感の心地の良さは鮮やかです。

これは主人公に稲垣吾郎を据えたのが大きか
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