松井の天井直撃ホームラン

佐々木、イン、マイマインの松井の天井直撃ホームランのレビュー・感想・評価

佐々木、イン、マイマイン(2020年製作の映画)
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☆☆☆☆

全然ノーマークでした。何の情報も無しに観たのですが、それが逆に功を奏したのかも知れません。

若き日に、仲の良い友達とバカな事ばかりをしては、ダラダラと過ごしていたあの日々。
もしも、あの楽しい日々が永遠に続いていてくれたのなら…

だが高校を卒業し、一度社会に出たならば。自分の生活、日々移り行く社会とのしがらみ等。どうにも上手くは立ちいかずに、理想と現実との狭間に悩み苦しむ毎日。
そんな時に、久しぶりに出会った友と語り合う《アイツ》との関係。

甦る青春時代

前半はどことなくダラダラとした展開が続き、何がどうなっているのか?が今ひとつ伝わり難い感が有ったのですが。おそらくは、その時間が有ったからこそでしょう。いつの間にか地元に帰っていた佐々木の、今の自分には(社会に出たからこそ)出来ない自堕落な生活をエンジョイしている姿。
「相変わらずダメな奴だなあ〜!」
…と思いつつも、心の何処かで感じるシンパシー。

映画全編をほぼ主人公目線で展開しているものの。ほんの一部分のカラオケの場面からの佐々木の恋愛模様で、いきなり佐々木目線の展開になる為に、変な違和感を感じるものの。この場面の素晴らしさに涙腺が崩壊しかける悔しさ。
何だよ〜このドキドキ感はよ〜!

この監督のセンスの良さ。
撮影の素晴らしさ。
どう見ても高校生には見えない佐々木のバカっぷり(u_u)

貶そうと思ったならば、幾らでも貶せそうなのに。何処で憧れてしまうダメ男達の友情物語は、よりダメな日々を送って来た経験を持つ〝 ダメ男 〟な人ほど心に刺さる映画でもありました。


自転車で電車と競争するバカな男達。
あの日々が有ったからこその、涙の逆走と友を思っての叫び。
最後の展開は、◯◯が主人公の芝居を◯に来るのを予想していただけに、「アレ?ちょっと違うんじゃない?」…とは感じつつも。「コレもまたアリだな!」…と、思うことしきり。

思いがけず素晴らしい映画と出会えた嬉しい悲鳴。
でも可愛い萩原みのりのスン止めベッドシーンにも、違う意味での悲鳴をあげてしまったのでした(;´д`)

2020年11月28日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン5