WillowMarrais

逃げた女のWillowMarraisのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
4.8
ミニマリズムの中のズレ。

ホンサンス自身への言及なのか
観客になげかけているのか
その両方なのか。
映画というメディウムを自覚的に意識する様に脱帽する。
ぬるっとしたズームアップを見て
ああホンサンスだってなるのはなんだか
特権的な手法にも思えてくる。
音割れする音楽も変わらずだ。

女性メインなのは相変わらずだが
今作はかなり明確に批評性があるように思える。つまり、タイトルにある逃げた「女」とはなんなのか。それを思案する。

やはりラストシーンが素晴らしい。
このラストシーンのために様々な反復が行われる。すごく有機的でいて、前向きな映画だ。
「逃げる」ことは何を意味するのか。
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