水のまち

逃げた女の水のまちのレビュー・感想・評価

逃げた女(2019年製作の映画)
4.4
愛する人の好きは、私の好きで、愛する人の嫌いは、私の嫌い。毎日一緒にいたら、気づけば同じ考え方になっていて、当然、それは幸せで、それが愛し合うということだと思っていた。だけど自分のアイデンティティというものはどうだろうか、考えたら本当の自分がいなくなっているように思えた。少し悲しかった、これでいいのかと疑問をもった。何も問題のない生活をしている今の自分から逃げて、昔の自分を知る人に会いに行く。愛する人と自分が考える愛を肯定して欲しかった。なにより、今の自分は昔と何も変わっていないと証明して欲しかった。訪れた先で皆に会って思ったのは、皆、今の生活を生きる為にどこかが変わっていて、でもやっぱり大して変わっていなくて、ということだった。

本編では語られない何から逃げているのかを感じとる、映画と人生の醍醐味。
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