弓太郎

マシニストの弓太郎のレビュー・感想・評価

マシニスト(2004年製作の映画)
3.8
原因不明の不眠症に悩まされ、一年間眠れていない工場労働者のトレバー。とある日の職場での事故で同僚に大怪我を負わせて以来、彼の周りで不可解な出来事が続く。周囲の陰謀を疑うトレバーは上司、同僚と激しく対立し、唯一信頼していた娼婦のスティービーにも見放される。自分の妄想を頑なに信じ込むトレバーは次第に深みに嵌り、極端な行動に出る…
どこまでが現実で、どこからがトレバーの妄想なのか、観ている側も釈然としないままストーリーが進んでいくのが面白く、オチも良い。そしてなにより、ガリガリのクリスチャン・ベール怖い。役作りのために30キロ減量→45キロ増量をやってのけたのは純粋に尊敬に値するし凄いプロ意識だと思うが、実際に彼自身かなり体調を崩していたそうだし、命を削るような役作りは手放しに賞賛できない。役作りのために自分自身に過剰な負担をかけるという意味では、メソッド演技法において批判されているものに近い問題を孕んでいるように思う。
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