向いているかどうかではなくやるかやらないかだ、という旨の台詞で以て、既に開巻近くでお笑いに殉ずるものが極めるべき覚悟が語られて。
その後に、二者択一を迫られた青年が逡巡を繰り返す様子を描いた物語が始まる訳ですけれども。
詰まりがそれって、ソープランドを根城に出来る人間がより快感を得られる自慰の方法を求めてるみたいなもんで。
端的に言って無理して紡いだ結末ありきの物語、即ち茶番に見えちゃったんですよね。
ここぞと気合の入った演出で見せる悲劇的展開と、主人公がお笑い芸人を目指した理由をまるで秘話のように語る場面とで作為が透けて見えちゃって、舐めんじゃねえぞと反感を覚えちゃったんですよね。
なので果たして、雰囲気が好いだけの詰まらない映画、という感想が精々だった訳ですが。
辛うじて二か所、即ち自撮りちんちんでお馴染みのウエストランドいじりと、明らかに今じゃねえという場面で例のフレーズをぶっ込む日本エレキテル連合の橋本小雪、これはもう本作ならではの場面で以て最の高でしたよ、と。