このレビューはネタバレを含みます
「何がって聞かれたら上手く言えないけど、欠けてるんだってことは確実にわかる」
コンプレックスや漠然とした悩み、不安、不器用さ、過去の傷痕。
それらがもたらす一生頭から離れないだろう人々の経験を、ホリガイという女子大生を中心に描かれるヒューマンドラマ。
今作の主人公であるホリガイ程なかなか感情移入できるキャラクターには出逢えないので痛烈に刺さり胸が苦しくなる。
奈緒さん演じるイノギの存在も印象的。
居酒屋でホミネと話すシーン、ホリガイとイノギがふたりで会話するシーンはどれも好きだし、最後の"やらなきゃいけない"動機づけとして最高だった。
自殺やネグレクト、レイプなど"暴力"に対するメッセージ性も主張し過ぎず伝わるのも良い。
ヨッシーは良い奴すぎるし、悩みを持つ他のキャラクターも魅力的だった。
「がんばれー」
心が弱っていてもその声を掛けてあげたいし、あげたくなる人と出会っていきたい。
元気がないときにまた、観返したい。