ちゃわ

国葬のちゃわのレビュー・感想・評価

国葬(2019年製作の映画)
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スターリンの死を、同じロシアの領土とは思えないくらい服装も顔の雰囲気も違う果てしなく遠くの住民がラジオで放送を聴く姿や、都心で大きな花輪を掲げて泣きじゃくりながら列を成して、銅像や遺体の蔵置所に集まる人人人人。
きっとスターリンのせいで人生を狂わされた人、とんでもない僻地に住む羽目になった人、恨みのある人も大勢いるだろうに、カメラが写したのは、ただただ悲しみに暮れる、もしくは悲しんでる様子をめいいっぱい演技している国民の姿。
しかもその数年後にはスターリンの蔵置所は全然別の場所に移ってしまい、スターリン崇拝も禁じられるのだから、歴史の変動は凄まじい。
今の世の中だとどのように写るのだろうか。国民はどんな顔をしているのだろうか。それは社外が求めている国民の顔なのだろうか。社会は国民にどんな顔をさせたいのだろうか。様々な思惑が映り込んでいて、考えさせられる時間でした。
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