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アウステルリッツのcrnのレビュー・感想・評価

アウステルリッツ(2016年製作の映画)
3.5
ザクセンハウゼン収容所を見る人々を見る作品。

収容所の入口から始まり、多言語のガイドを時に挟みつつ主要と思われる内部を一つずつ見て、入口と同じ出口へと進む90分。この間に、次々と疑問が浮かんでくる。この場所に相応しい態度というものがあるのか、何のためにここに来るのか/写真を撮るのか、どれほどの情報や知識を持って見るべきなのか、正視して感じ考えるのはどんなことなのか。

最初はダークツーリズム批判なのかと思ったけれど、ロズニツァのいくつかの言葉からすると、この作品の受け取り方自体を鑑賞者に委ねているのだろう(ただ、定点カメラの中に綺麗に収まった人々の内とりわけ目を引くものには、監督の意思が感じられる)。歴史からどのような真理を見出すかという問いと同じ視点で撮られていた印象。
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