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水を抱く女のtaominicocoのネタバレレビュー・内容・結末

水を抱く女(2020年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

これまたオンライン試写にて、お先に観せていただきました。

「愛する男が裏切ったとき、その男は命を奪われ、ウンディーネは水に還えらなければならない」

ギリシャ神話を起源にした「水の精」ウンディーネの現代の物語。

先日観た『マーメイド・イン・パリ』は明るく、かわいい人魚姫のお話でしたが、こちらは大人の恋愛と情念をしっかりと描いた、ダークなファンタジー作品。

近作で水の精を扱った作品が2作公開されたので、どうしても比べてしまう・・・。
気持ちが楽しくなる『マーメイド・イン・パリ』を良く評価していたのですが、考えるまでもなくこちらが圧勝です。

私が芸術点を高く評価する傾向があるので、アート系作品が苦手な方には響きづらいかもしれません。
その点、ご了承ください。


BGMで繰り返されるのは。バッハの旋律。
ウンディーネが楽しい時も失意の時も、彼女を包むのはバッハの響き。
シンプルで洗練されていました。

表現しずらい感情が押し寄せるラストの演出も、ベルリン映画祭で女優賞をとったパウラ・ベーアの妖艶さも素晴らしかった。

終始、少し不穏な雰囲気が続きますが、1箇所だけほっこりするシーンがあり、気に入っています。

それは、ウンディーネと恋に落ちるクリストフが、湖?でおぼれたウンディーネに、ある歌を歌いながら、心臓マッサージするところ。

「Ah, ha, ha, ha, stayin’ alive, styain’ alive Ah, ha, ha, ha, stayin’ alive」

ビージーズの「ステイン・アライブ」はリズムも歌詞も心臓マッサージにぴったり!
なんですが、急激に緊張感がほぐれて笑ってしまいました😊
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