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DAU. ナターシャの靉靆のレビュー・感想・評価

DAU. ナターシャ(2020年製作の映画)
4.0
極限までリアルを映し出そうとしたフィクション。"作品"であると同時に"ドキュメンタリー"でもある。

ひたすらに意味も分からず展開されるカオス。時に取っ組み合い、時に快楽に溺れる。美しさや若さに対する嫉妬に狂い、瑣末な嫌がらせをする女の汚さ。愛を知っていると豪語するが、それは定かではない。
秘密機関で働いているにも関わらず、簡単に科学者と関係をもつところに浅はかさを感じる。その後の拷問シーンも強烈で観ているのがつらい。

毎日同じような生活を繰り返し、閉塞感や精神的なストレスをこちらに掛けてくる。
挙句の果てに、拷問されても男を誘惑する姿。そうすることでしか生き延びられない。そして、また普段の日常に戻る。。

映画としての面白さは賛否出るだろうが、莫大な費用と人数と時間をかけて製作したところに、監督の挑戦・意欲が感じられる。わたしは好きです

DAU.退行も必ず観ます。
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