豚肉丸

インシアンの豚肉丸のレビュー・感想・評価

インシアン(1976年製作の映画)
4.5
最悪な家庭で生まれ育った少女はある日、母親の愛人に強姦される。しかしその事を誰からも信じて貰えず、彼女は復讐を決意する...というお話

出来ることならこのあらすじだけで本編を見てほしい。本筋はよくある胸糞悪いレイプリベンジものではあるのだが、本作は...現代の視点からすれば間違いなく問題しかないような手法を使って復讐を行う。途中まではあまりの胸糞悪さと作り手側の時代錯誤な恋愛観に視聴を止めそうになったものの...あまりの強烈な展開にただ脱帽するしかない。素晴らしい!

本編の半分以上の尺を使って描かれるのは地獄みたいな家庭状況。兄は飲んだくれで母はDV毒親。そして母の愛人は一見母の暴力を止めてくれる良い人に見えるが、結局変わらず最悪な人。
そんな環境に日々耐えながら過ごす少女インシアンには、彼氏がいる。しかし母はインシアンに一切の男性との接触を禁じて会おうにも会えない状況。
そんな地獄のような状況が長い時間をかけて描かれた後本題に入るのだが...より最悪で救いようのない方向へ転がっていく。しかも、インシアンの選択によって。
そんな訳で中盤からは胸糞悪さと同時に展開に漂う違和感と不快感に苛まれ続けながら見ることになるのだが...

現代で作ったらあまりの(倫理的な)気持ち悪さで間違いなく炎上するように思える。ある意味この時代だからこそと言うべきではあるが、それでもとても面白かった!何にも知らない状態で味わうことができて本当に良かった!!
豚肉丸

豚肉丸