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DAU. 退行のparaのレビュー・感想・評価

DAU. 退行(2020年製作の映画)
4.6
退行の意味を最後に知る。

共産主義=宗教。なるほど言い得て妙。
ソビエト全体主義社会の荒廃を描く『DAU』シリーズ第二弾。舞台は1968年。369分。

絶対服従の狂信的な信者を恐怖政治という監視システムがより一層モンスターに仕立て上げる様が恐ろしい。

特に極右化した人間が白人至上主義はもちろんなのだが、西側をどう見ているのかも含めて、ソビエト(ロシア)の根底に流れる思考等を垣間見る。

堕落を異常に恐れるのは体制崩壊の波が迫っていて、権力者側としてはなんとか維持したいからなんだが、そこがもう凄惨で悍ましい。


前作の『ナターシャ』とは比べられないほど満足度高し。
本物の学者(宗教家と数学者)の講義はずっと聴いていたかったほど面白かった。





パンフレットを購入したところ…
マクシムのプロフィール。
ネオナチで本当に何度も逮捕歴のある人物で、、最期は獄中死していた。
あれはやはり演技じゃなかったんだ。。。

今月〆の映画としては最強。


追記
覗き見みたいな感覚でソビエトを知る充実の6時間。9章構成でナターシャよりもコンパクトに、風紀の乱れ→監視を見せる。
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